アメリカの国有林におけるレクリエーションに対する合意形成の展開(<特集2>合意形成-森林計画はいかにして地域社会に認知されるか-)
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概要
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アメリカの国有林におけるレクリエーション展開過程を,第一次大戦後に初代「レクリエーションエンジニア」として採用されたカーハートの活動を通じて明らかにした。彼はまずホワイトリバー国有林の一部において別荘開発を行なわないという非開発型計画案を提示し実現させた。スペリオル国有林においては一層広大なカヌー地域としての保全を提案した。また,サンイサベル国有林レクリエーション計画策定においては,地域住民によるキャンプ場整備をその中に取り込み,住民参加による国有林レクリエーション開発の先例を打ち立てた。同時に,さまざまな雑誌にレクリエーションを推進する論説を掲載し,森林官のみならず一般民衆にもその支持を訴えた。だが,森林官によって構成される組織の中でレクリエーションに対する合意を短期間で形成することは困難であった。一部の森林官はレクリエーション需要の増大を認識し,その予算や専門家による計画の必要を認識したが,森林局としてレクリエーション政策を確立するまでには至らなかった。彼は森林局内部の合意形成に限界を感じ,辞職したが,その後の国有林レクリエーション展開の基盤を作った。
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