気管支カルチノイドの姑息的治療として気管支動脈塞栓術,局所エタノール注入の後,高周波スネア切除を行った1例
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概要
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背景.気管支カルチノイドの根治治療は外科的切除が選択されるが,外科手術適応外の症例も多く存在する.症例.71歳女性.盲腸癌に対して右半結腸切除術を行った後,化学療法を継続中,左底幹入口部をほぼ閉塞する気管支カルチノイドを認めた.予後決定因子は盲腸癌であり,閉塞性肺炎や喀血などの合併症予防のため,姑息的治療としての腫瘍切除を試みた.まず,気管支動脈塞栓術を行い,追加で局所エタノール注入を行った後,気管支鏡下高周波スネア切除を行った.動脈塞栓術と局所エタノール注入によって腫瘍病変は著明に縮小,壊死傾向であったため,内視鏡的切除は極少量の出血のみで安全に行えた.結論.根治切除を必要としない姑息的治療目的の気管支カルチノイドに,動脈塞栓術などを併用した今回のような手段は,安全に気管支鏡下腫瘍切除が行える有用な治療手順であると考えられた.
- 2012-03-25
著者
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大坪 孝平
九州大学病院呼吸器科
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久保 直樹
国立病院機構福岡東医療センター
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中島 信隆
九州中央病院呼吸器内科
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古藤 洋
学校共済組合九州中央病院呼吸器内科
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久保 直樹
九州大学病院呼吸器内科
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中島 信隆
学校共済組合九州中央病院呼吸器内科
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大坪 孝平
九州大学病院呼吸器内科
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