コレステロール結晶塞栓症の早期診断と対策
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概要
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コレステロール結晶塞栓症(Cholesterol Crystal Embolization: CCE)は、大動脈壁のアテローマが崩壊、流出して生じたコレステロール結晶による全身性の塞栓症である。これは、動脈硬化の高度な患者に、多くは抗凝固療法、血管カテーテル操作、心血管手術などが誘因でおこることが多い。多様な臨床症状を呈するため、確定診断は困難なことが多い。また、現在、確立した治療法はなく予後不良の疾患である。しかし、近年、少量のステロイド療法、ステロイドと血漿交換の併用療法、及びステロイドとLDL apheresisの併用療法の有効例が報告されている。今回我々は、CCEの最近の診断および治療について、自験例および文献から検討した。治療においては上記治療法のいずれも効果が期待できると考えられた。ただし、十分な治療効果を得るためには、皮膚生検などによる早期診断がより重要と考えられた。
- 2012-07-31