児童養護施設で生活する子どもの大学等進学に関する研究 : 児童養護施設生活経験者へのインタビュー調査から
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概要
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児童養護施設からの大学等進学率は一般家庭と比して低位であり,意欲と実現性の両面で格差がみられる.本研究では,児童養護施設からの大学等進学の状況を明らかにすることを目的とし,児童養護施設生活経験者へのインタビュー調査を行った.質的分析の結果,《意欲》《条件》《養育者の関わり》の3つの概念的カテゴリーが抽出された.この概念的カテゴリーから「《養育者の関わり》によって進学の《意欲》と《条件》が影響を受け,相互作用をもちながら進学の結果につながる」という概念モデルを想定した.これと進学の結果を照らし合わせ再文脈化した結果,順調な進学を果たした群には,意欲・条件面共に養育者の肯定的な関わりが行われ,非進学群には,それがみられなかった.総じて,自身の進学イメージが進学意欲を高め,経済面での保障が実現性を高めていたといえる.また,これらの状況には養育者の関わりが大きく影響することが示唆された.
- 2012-02-29
著者
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