泥炭土の各種分解度指標と理化学性
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概要
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泥炭土の各種分解度測定法の有効性とそれらのわが国泥炭土への適合性を明らかにすることを目的に,北海道の主要泥炭地から採取した構成植物,分解度の異なる試料を用いて各種分解度測定法相互の比較,各種分解度指標と理化学性との関係を検討した。その結果を要約すると以下の通りである。1. Von Post法を除く各種分解度指標は,有機質土壌物質(Fibric, Hemic, Sapric)および泥炭土(高位,中間,低位)の種類別に大略違いが見られたが,各種繊維含量およびPIにおいて低位泥炭土と中間泥炭土との間で有意な差は認められなかった。2. Von Postの握り法を除く各種分解度指標は互いに高い相関関係が見られた。とくに,各種繊維含量とKaila の腐植化度, Pl との間で顕著であった。3. Von Post法以外の各種分解度指標と理化学性の間には有意な相関関係が認められた。とくに,現地仮比重と全炭素,灰分,pH(H_2O)との間で最も顕著であった。また,容易に測定可能なPIおよび含水比と理化学性との間にも有意な相関関係が認められた。4. 無機物混入の多いわが国泥炭土に適合した分解度指標は,有機物当たりおよび容積当たりの繊維含量,PI,現地仮比重並びに含水比である。このような分解度指標の採用は,未知の泥炭土試料の物理,化学的性状の概要を知ろうとするとき,その全体を容易に推測でき,泥炭土資源の利用・管理に極めて有用である。
- 日本ペドロジー学会の論文
- 1993-06-30
著者
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