米山海岸の赤色土
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概要
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新潟県の米山山塊のふもと,日本海に沿う海岸段丘の上に現れる赤色土を調べて,つぎのことを知った。1. 赤色土は高位段丘面に発現することを確認した。2. 赤色土層は第三紀層の上に不整合に直接のる場合もあり,その間にシルト・砂層を介在させることもある。また,赤色土層の上にはA層があるが,それが現在生成で直ちに地表に接する場合と,過去のA層であって,その上にさらに,海岸飛砂を母材とする現在のB層,A層をのせる埋没土の場合とがある。この二つのタイプの相違の原因は,砂の供給源の有無や,それからの距離に関係あるものと考えた。3. 赤色土層は,その上下の層に比較して,粘土含量の比率が高い,これは母材としての堆積当時からの性質を受けついだものと考えられる。また,遊離鉄含量もかなり高く,塩基飽和度は低い。粘土の組成にはこの層だけとくにアリティックな様相は認められない。4. 赤色土の生成は,母材の性質と,その水文学的特性に基づく選択風化であると考えた。5. 赤色土の生成時代については,その堆積時期はリス/ウルム間氷期であり,ウルム第一亜氷期に陸化隆起し,W_I/W_<II>間氷期に主として赤色風化を受けたものであろうが,その後も赤色化は継続進行したものと考えられる。
- 日本ペドロジー学会の論文
- 1968-12-30