イギリスにおけるキャリア教育・ガイダンスの系譜・現状・課題 : 1970年代以降のキャリア教育を焦点にして(II 資料の部)
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概要
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イギリスはガイダンスやキャリア教育の先進国である。その源流と系譜を探り、現状と課題を明らかにすることにより、導入されて間もないわが国キャリア教育の拡充についての知見を得たいとの願いから検証を重ねた。その結果、イギリスは、職業体験教育に力を入れるとともに日本の公教育制度を参考にしてナショナル・カリキュラムを設定し、達成度を検証するための全国統一テストを導入したことが教育改革の端緒となったと確信した。特に、職業教育の強化を目指して全国職業資格制度(NVQ)を導入し、キャリア教育を教科として義務化したことが大きい。学内ではキャリア教育を、学外ではガイダンスを通じて若年者支援を目的とするコネクションズ・サービスを行なうことが、キャリア教育・ガイダンスの一つの終着点になったと判断している。コネクションズ・サービスに至る道に焦点を当てれば、1973年の教育(職業体験)法や雇用・訓練法を土台とし、保守党のサッチャー、メジャー、それに続く労働党のブレア政権が連続性をもって教育改革を推進してきた成果ともいえる。その上で、EU共通の教育政策や資格制度を積極的に取り入れるイギリスの若年者雇用施策は、真のグローバル化に直面しているわが国教育機関にとって参考となる。一方で、2014年に向けて歳出を810億ポンド(約11兆円)減らす財政再建を推進するなかで、教育関連費用をどこまで削減していくか、これから注視していく必要がある。
- 2011-12-25
著者
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