大規模自然災害における人道支援のジレンマ : 「周辺」と「中心」の視点から
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概要
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本稿では、大規模自然災害の人道支援に関する先行研究の潮流や、研究分野に対する実証的な課題をレビューし、実践者に対する聞き取りと国際NGOでのフィールド調査をベースに、人道支援のジレンマについて検討を加えた。実践者は、国際NGOが内包する関係に起因するドナーと被災地の二元的な要請や、被災者のニーズに呼応する人道支援と対峙していた。実践者の直面したジレンマの背景となる要因を明示し、ジレンマを理解するための視点として、被災者の「周辺」とドナーの「中心」が人道支援の領域において重要である。この視点に基づいたアプローチは、人道支援の活動と資金、組織論、官民連携の問題など、実証的・理論的データを蓄積するために必要であり、欠くことができない共通する要素であると思われる。本稿では、実践者の証言や国際NGOでの調査によって得られた知見をもとに、ジレンマの根拠を明示するための分析を行い、「周辺」と「中心」の視点から検討を試みた。
- 2011-12-28