中小規模の理工医学系国立大学における電子ジャーナルの需要と提供の実態
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概要
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ビッグ・ディール契約の課題を明らかにするために,日本の中小理工医学系国立大学における電子ジャーナルの需要と提供の実態として利用と契約状況の双方を調査し,それらの関連性を探った。協力の得られた9大学を対象とし,研究者に対するウェブを用いた質問紙調査及び,図書館に対する契約状況調査を行った。更に,2大学の図書館員にインタビュー調査を行った。研究者からは,250人(回答率7.7%)の回答を得た。研究者の電子ジャーナルの需要は高かった。一方,図書館は,ビッグ・ディール契約におけるパッケージを維持するために,研究者の需要があるいくつかの学会誌等が契約できない状況が確認された。研究者の需要と図書館からの提供にはずれが生じていたが,現状では図書館は,ビッグ・ディール特有の価格設定のために修正は難しいことも明らかになった。この要因により,研究者の私費購読や他大学の知人への依頼という利用実態があると考えられた。
- 2011-12-31