オルタナティブ・アートスペースにおける実践からの考察 -見ることから共有することへ-
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概要
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2011年2月から数か月にわたり、熊本市内の街中にオルタナーティブ・アートスペースを立ち上げた。アート食堂3号線という名称で、様々な企画の中で食事を介しながら対話で関係性を開いていく場である。この場を立ち上げる背景として、20世紀の美術が展覧会や美術館を中心に発展した流れに対しての危惧や、また現代社会に対して私達の芸術の担う役割を模索してきたことがあげられる。「社会とアートをつなぐ」というコンセプトのもと、私たちはアートの力をもう一度日常の中で呼び起こすために、またアートが「今」できることを問うために「想像力」をテーマに活動を開始した。私たちを取り巻く社会は、中心から発信し周りの者が受け取るシステムから、新たな細分化されたシステムに移行している。表現もまた、そういった細分化された社会の中で表現とは何か問い、また問うことで表現を成立させようとしてきているのである。このアート食堂3号線で行ってきた試みは、明確な着地点は見えないものの、次へと展開していく可能性を含んでいる。
- 2012-03-01