高等学校の共学校化に伴う運動部強化の現状と課題-硬式野球部の事例から
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概要
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少子化により若年層人口の減少を迎えたなかで、高等学校は特色を出すことによって生き残りを図る必要に迫られている。特に女子高等学校は全国的に入学定員充足率が低いことから、共学校化することで生徒数を確保するケースが増加している。 林(2007)は、大学硬式野球部の存在意義について半構造化インタビュー調査をおこなった。それによると、地方の大学野球部ではチームの強化に加えて、学生数の確保を重視していることが示唆された。先の知見を参考にしつつ、本研究では女子高等学校から共学校化した高等学校の硬式野球部の存在意義と、その創部とチーム強化が学校に与える影響に関して、半構造化インタビュー手法を用いて検討した。 その結果、(1)硬式野球部の存在意義は名称変更した校名の知名度アップや学校のイメージ作りにあること、(2)硬式野球部を強化することによって、卒業生の結束力強化や母校への帰属意識向上といった好影響がみられることが分かった。また、好影響を維持するために、指導者は不祥事防止に対して細心の注意を払うべきであることが示された。
- 2010-03-31