15世紀の西欧における聖地エルサレム模造の変化と展開
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
サクロ・モンテ研究は、20世紀末以降、サクロ・モンテを多様な巡礼施設群のうちの一類型とみなし、そうした施設群全体の全ヨーロッパ的把握を目指す大規模な調査・研究へ移行した。しかし、サクロ・モンテの起源の解明に役立つと思われる、西欧における15世紀以前の聖地パレスティナ、とりわけエルサレムの模造ないしは代用の建造物群の存在や、それらとヴァラッロ(15世紀末)やサン・ヴィヴァルド(16世紀初め)の初期の代用巡礼施設との関係などについては、14世紀以前のエルサレムの模造建築について概観した拙稿を除けば、日本ではまだ紹介も言及もなされておらず、15世紀の模造ないしは代用の建造物については皆無である。