タイ人日本語学習者の有声・無声閉鎖音の産出と知覚に
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概要
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本研究では,タイ王国にて話されているタイ語バンコク方言(以下タイ語と称する)母語話者が日本語の有声・無声閉鎖音の対立を習得する際の問題点について考察する。官話をはじめとする漢語諸方言同様,タイ語においては有声・無声閉鎖音の対立は非弁別的である。本稿では,タイ語話者による日本語有声・無声閉鎖音の習得困難な問題点を音響音声的観点から実験により検証しその原因を明らかにし,より効果的な教育を図るため,タイ語母語話者10名を対象に行った日本語の有声・無声閉鎖音の産出及び知覚の実態,及び習得課程に関する調査についての結果を報告する。閉鎖音の産出及び知覚に関する実験の結果以下のことが明らかになった。(1)産出能力・知覚能力共に,学習期間にかかわらず困難であるとの結果が出た。(2)産出と知覚の能力には相関関係がある。(3)ピッチパターンが産出・知覚ともに大いに関与している。(4)無声音は,両唇音>歯茎音>硬口蓋音の順で習得される。(5)有声音は,硬口蓋音>歯茎音>両唇音の順で習得される。
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