ゴーイング・コンサーン情報と企業の再生行動
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概要
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2003年3月1日以降終了事業年度に日本でゴーイング・コンサーン情報開示の制度が導入された.経営者は,継続企業の前提を評価し,企業の存続に重要な疑義が存在する場合には注記においてその状況を説明し,監査人は経営者の評価及び注記について監査する.本研究の目的は,上記のような二重責任に基づくゴーイング・コンサーン情報の開示が経営者の再生行動や規律づけにどのような影響を与えるのかを明らかにすることである.実証分析の結果,ゴーイング・コンサーンの開示は企業の多くの再生行動を促し,開示後3年後の財務パフォーマンスの改善にも寄与しているという結果を得た.すなわち,ゴーイング・コンサーン情報の開示は,企業の経営者にとって再生への対応策を真剣に検討し実行するという契機となっていると考えられる.
- 2010-03-31