グラフェンの電子物性とナノスケール効果(講義,第56回物性若手夏の学校(2011年度) 研究と人生の指針-Beyond the CoMPaSS of your field.-,講義ノート)
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概要
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グラフェンは一原子層の炭素原子膜である.炭素原子が蜂の巣格子状に配列した結晶構造をもつために,その電子構造は通常の二次元電子系と大きく異なる.種々の電子物性をつかさどるフェルミエネルギー近傍の電子状態は,質量ゼロ形式のディラック方程式によって記述される.このため,後方散乱の消失効果クライントンネリング効果,半整数量子ホール効果など,特異な伝導現象が現れる.また,グラフェンは,驚異的な高移動度をもつこと,さらに透明でやわらかい材料特性をもつことから,工学応用の観点からも強い関心を集めている.本講義では,グラフェンの電子状態および伝導特性に関する基礎を,理論的な側面から概説する.後半には,二層グラフェンの電子状態,ナノスケールグラフェンの電子状態について触れる.
- 2012-02-05