DCDにおける発達と障害
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概要
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発達性協調運動障害(developmental coordination disorder: DCD)の概念と定義について,医学的側面からDSM-IV-TRおよびICD-10の二つの国際的診断基準に基づいて整理し,さらにTouwenらのSoft Neurological Sign等に基づいた臨床における診断・評価手法を具体的に提示した.DCD児への治療的介入としては,国内で従来から主流であった感覚統合療法が代表するような,運動の基底となるプロセスでの欠陥に働きかけるアプローチに加えて,海外で広まりを見せている,DCD児が自ら課題を選択し動機付けさせることを重視するような課題指向型アプローチに二分される.DCD児の支援においては心理社会的側面からの理解と援助が重要であり,DCD児の発達と生活史を縦断的な視野で支援できる人材育成を含めた支援資源の充実が今後の課題である.