運動の発達と障害 : 認知発達への関与の観点から
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概要
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本論文の目的は,運動の発達と障害を,それらの認知に対する関与の観点から検討することである.関連する理論とデータの検討によって示唆されることは,次の通りである.運動は視空間認知の発達に深く関与する.なぜなら,視空間認知が運動的要素を包含して成立するからである.運動的要素は実際の運動を内的に表す仮想的運動であり,仮想的運動は包含される視空間認知の発達レベルに応じて,2つのレベルを区別し得る.その低次なものは非意識的,拘束的,その高次なものは意識的,可動的である.仮想的運動の発達は運動の発達と障害に規定され,また,とりわけ高次なものの意識性,可動性は社会的協働またはそれを実現する言語の作用に規定される.