学校内適応指導教室設置についての実践研究 : 不登校支援協力員からのヒアリング調査結果より
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
不登校は近年の学校現場において極めて出現頻度が多く,依然として深刻な社会問題である。筆者は数年前から中学校の協力を得て家庭から距離の近い学内の「心の教室」を簡易型の「学校内適応指導教室」として位置づけて活動内容を拡大し,教職員や不登校児童支援協力員等の人的資源を有効に利用しながら,不登校生徒間や一般生徒との交流の場を設けてソーシャル・スキルの涵養を図ったり,心理的サポートを行ったりして支援を行っている。本研究ではこの「学校内適応指導教室」の取り組みを行った3つの中学校で,主に不登校生徒と関わった不登校支援協力員にヒアリングを行い,本試みの利点と問題点について検討した。その結果,本取り組みの利点としては「表情や会話量の変化」「不登校生徒同士の交流の増加」「出席率の上昇」が,問題点としては「支援者のサポート体制の必要性」「時間枠と学内ルールの遵守」「学習支援の充実」「人的措置」などが明らかになった。