児童新聞『児童の産業』に関する一考察 : -綴方作品を手がかりとしてー
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概要
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本研究では,大正期に八重山で創刊された児童新聞『児童の産業』に掲載された子どもの綴方作品を分析してこの新聞が果たした役割を解明した。その結果,以下のことが明らかになった。1)大半の作品が自由選題の綴方であったこと。2 )課題主義の綴方指導から自由選題の綴方指導への移行を示すものであったこと。3)自由選題の綴方指導は,自由教育の一環としても実践されていたこと。4) 自由選題の綴方は,子ども自身による生活に根ざした児童文化の創造として評価できるものであったこと。5)自由選題の綴方は,方言の使用の可能性を開くものであったこと。6)W児童の産業』は,自由選題の綴方指導の推進,子どもによる児童文化の創造の促進と交流の推進,自由教育の推進,という面で役割を果たしたこと。
- 2012-03-10