認知症予防支援事業としての『公園体操』の可能性 - 神奈川県E市の取り組みから -
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概要
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日本は高齢社会となり高齢者の健康維持・向上、疾病予防は重要な課題である。このような課題にどのように取り組むべきかについて、K県E市が実施する認知症予防活動支援事業の一環である「公園体操」の取り組みを報告し、考察した。事業目的はボランティア養成であるが、そこに様々な考えや工夫を加えた事業である。特徴は他機関との連携による事業周知、参加者の負担を軽減する自由参加型の講座、ソーシャルサポートを活用した運動継続の支援、運動推進のための環境的要因を考慮した実施場所の選定、高齢者の仲間づくりなどである。公園体操事業では参加者自身が公園を活用して健康増進・向上を行い、周囲にその効用を伝承するプロセスが見られた。この活動はボランティア精神の「○○とともに」につなり、自分自身だけではなく自分の家族や知人など周囲と互いに助け合い共存する地域づくりのきっかけを与えるものである。また、長期的・継続的な運動実施には環境的要因の影響があることを認識した上で、事業実施場所を公園にしたことに意義がある。公園体操はボランティア概念、認知症予防、運動推進、運動継続などが共存する認知症予防活動支援事業であり、超高齢社会を目の前にした日本社会には有用なものであると言える。
- 2012-03-19