日本語授業におけるILL理念の具現化に向けた取り組み -映画教材『しあわせ家族計画』を用いた教師研修成果から-
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概要
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本稿は、1990年代後半以降、オーストラリアの学校教育において言語学習に不可欠の理念となったILL(Intercultural Language Learning)に着目し、近年の動向とその理念に基づく授業デザインを示した国際交流基金シドニー日本文化センターでの教師研修成果をまとめた実践報告である。 まず関係資料を整理した結果、ILLは導入予定のナショナルカリキュラム(Australian Curriculum)にも散見され、将来に向けた教育政策にその理念が継承されていることがわかった。次にILLを取り入れ作成した映画教材『しあわせ家族計画』を用いた教師研修では、参加者がその場でILLを体験していることがうかがえ、さらにILLを日々の授業に照らし合わせ、自らの実践を振り返っていたことが研修の記録や任意の聞き取りによって確認された。