サンゴ表面からのビブリオ菌の単離培養および菌株保存方法の検討について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
サンゴ礁は漁場や観光資源として重要である。近年、多様な病気がサンゴ礁で多発し大きな問題となっている。いくつかの症例において、ビブリオ菌が特徴的に感染または存在していることが明らかになっているが、発症との関係性などについては明らかでない事が多い。サンゴの病気とビブリオ菌の関与を明らかにするためには、サンゴからのビブリオ菌の分離方法の確立が必須である。そこで本研究では、沖縄美ら海水族館で飼育されているスギノキミドリイシ(Acropora muricata)を対象に、RTN(Rapid Tissue Necrosis)に罹患したサンゴ組織から、ヒト病原菌としてのビブリオ菌研究で用いられている一般方法を用いてビブリオ菌の単離培養および凍結保存が可能であるかを検討することを目的とした。RTN表面から取り出した細菌は、ビブリオ菌が好むアルカリ性を示すアルカリペプトン水での増菌、および病原ビブリオ菌分離用寒天培地で分離・単離が可能であった。さらに、単離後のビブリオ菌についてグリセロールストックを作成し凍結融解後に培養したところ、75%のストックサンプルで再培養に成功した。以上から、サンゴ表面からのビブリオ菌の単離および凍結保存は一般的な手法を用いても可能であることがわかった。本研究で得られた結果は、今後サンゴの病気に対するビブリオ菌の影響をみる実験や検証に貢献できると考える。
著者
関連論文
- 6-107 「宇宙教育プロジェクト」を核とした異学科学生の共同作業 : 株式会社リバネスの宇宙への夢と高専複合融合教育のコラボレーション(オーガナイズドセッション「学生の学習活動」-I,口頭発表論文)
- サンゴ表面からのビブリオ菌の単離培養および菌株保存方法の検討について
- バイオテクノロジーと生物多様性条約:遺伝資源の保護と活用に関する近年の動向