コミュニティ・ビジネスの実態と方向性に関する一考察 : 阪神・淡路大震災被災地のCB事例から(<特集>震災ボランティアの10年)
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概要
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英国で失業対策や地域再生策として始まったコミュニティ・ビジネス(CB)は、日本では、困っている人を助けるボランティアが事業化した形態として定着した。とくに、阪神・淡路大震災の被災地で、行政から助成を受けて生まれた団体には、その傾向が強い。しかし、最近では、専門知識を必要とするニッチビジネスや、地域活性化につながる活動事例も増えてきた。これは、CBが多様なステイクホルダーに支えられ、柔軟に活動内容を変えるという特性があるためと考えられる。CBの意義を「地域を元気にすること」と考えるならば、その成果は生み出された財・サービスだけでなく、かかわることで自信や実力をつけたスタッフ、CBを支援することで満足感を得た支援者ら、有形・無形の「地域力」といえるものだ。他方、ビジネスモデルとしてCBを考えた場合は、ローリスク・ローリターンの事業、中間労働市場の場としてとらえることができる。 近年、日本でも地方分権に伴う「小さな自治」や地域再生が大きな課題となっているが、CBは、その経済的なエンジンとなる可能性を持っている。そのためには現在、NPO法人の要件でもある「不特定多数の公益」の呪縛を超え、「共益」や社会的経済の追求が必要となる。
- 国際ボランティア学会の論文
- 2005-02-28
著者
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