ボランティア活動と公共性 : フェミニズムの視点から(<特集>ボランティア活動と「公共性」)
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概要
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「女性の権利は人権である」という世界的な女性運動の成果として、日本にも男女共同参画社会基本法が施行された。しかし学校教育はじめ現場ではバックラッシュだけではない困惑やジレンマがフェミニストの間にもおきている。この国のあいまいな公/私や公共性の概念、観念的な「市民社会」が問題の根底にあるだろう。経済のグローバリゼーションが進行するなか、対抗的な市民運動として国際的なNGOのネットワークが重要性を増している。公共領域の概念も変化し、広がってきている。このようななかで欧米を中心とする現代フェミニズム思想は、市民社会(とくに政治的公共性)への参画をめぐって、ジェンダーや帰属性などのアイデンティティ問題で論争し、岐路にたっている。本論は、このような日本および世界の情況を簡単に分析し、ハンナ・アーレントの「世界」(公共空間)観をひとつの哲学的モデルとして、インドのグリット(被差別カースト民)女性の草の根のフェミニズム運動の現場から検証するという方法論をとっている。ボランティア運動であるはずのNGO組織が抱える問題点を合わせて照射しながら、現場のフェミニズムが市民的公共性に不可欠なボランティア活動そのものであることを結論づける。
- 2002-11-01
著者
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