ヒューマンエラーと過失責任(システム安全における人と技術と法)
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概要
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刑法は、事故発生に重大な影響を与えた実行行為者を特定し刑事責任の根拠とするが、従来、刑法が想定していなかったシステム性事故における刑事責任を科すときに、誰に対してどのような根拠で責任ありと判断するのだろうか。最近の判例によると、事故に直結したと考えられる管理者や監督者の不作為を刑法上の実行行為とみなし、業務上過失の責任を問うというものである。しかし、個々のヒューマンエラーがシステム全体の中でどのような意味をもつものかを検証することなく、結果責任を問うことは妥当とはいえない。本橋では、システム性事故の刑事過失責任を問う時の問題点を指摘し考察する。
- 2011-09-29