Fiber Tractographyを用いた脳卒中後運動機能評価の検討 : 理学療法による運動神経線維の経時的変化
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概要
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【目的】脳卒中片麻痺患者にFiber Tractography(FT)を撮像し,脳内神経線維数が運動機能評価に有用か,さらにFTを経時的に追跡し,脳内活動の動向についても検討した。【方法】脳卒中片麻痺患者51名の線維数と運動機能との相関関係を求めた。正常人,歩行自立群,歩行非自立群の3群間で線維数の比較検討を行った。5名では発症直後から慢性期に至る線維数と運動機能を経時的に測定した。【結果】線維数と運動機能には有意な正の相関関係がみられた(r=0.81,p<0.001)。3群間の比較では,自立歩行になるにつれ多く描出された。経時的評価で,機能回復良好例では,損傷側に著増が,回復不良例では損傷側は少なく,非損傷側の増加を認めた。【結論】FTによる線維数の定量的測定は脳卒中後の運動機能評価の指標となりうることが示唆された。回復良好例では損傷側の皮質脊髄路の再構築が,回復不良例では非損傷側の同側性皮質脊髄路の関与が推測された。
- 2011-12-20