ラオスにおける産後プラクティスの実施状況に関する研究
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概要
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ラオスでは,ユーファイ(産後の一定期間を炭の側で過ごすという保温や行動制限を伴う慣習)やカラムキン(産褥期に食事制限を行う慣習)という文化で育まれてきた産後プラクティスが広く実施されている。その実施状況について明らかにし,文化を考慮した看護について考察することを目的とし,ヴィエンチャン市内の医療施設において,出産経験のある女性232名を対象に質問票を用いて実施した。ユーファイの実施率は93.5%であった。実施目的は,体力の回復,子宮復古,創傷治癒などがあり,ユーファイは代替医療的要素も含んだ,褥婦を保護しようという伝統的に受け継がれてきた民間的ケアであることがわかった。カラムキンの実施率は81.9%であった。栄養上問題があるにもかかわらず広く実施されており,土着的な考えや超越的な存在への営みなど本地域の人々の特性が影響していることが考えられる。看護職は,産後プラクティスの文化的目的や根拠を見出し,実施方法を対象とともに調整しながらかかわることが重要であり,文化を考慮したケアが必要である。