R&D組織デザインにおけるCo-opetitionの活用 : 韓国の携帯電話端末企業の事例
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概要
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本稿は、特定の環境下において、本国拠点のR&D組織デザインにコーペティション(競争と協調)を導入することが競争優位をもたらしうるという視点を提供している。複数の階層におけるコーペティションを明確に活用している携帯電話産業の多国籍企業のR&D組織に関するケース・スタディーからは、技術的な特徴とニーズを的確に理解し、組織デザインと開発のプロセスの中に協調する部分(共同プラットフォーム構築とバグに関する問題解決)と競争する部分(協調する部分を除いた残りのプロセス)を埋め込ませることによって、一連の開発プロセス上において、組織間の協調と競争が柔軟に行われ、該当企業の競争優位の獲得にポジティブな影響を与えていたことが分かった。このような、組織デザインと開発プロセスは、特に本国の技術的水準が他国と比べ、高い水準である状況下で、製品開発活動競争の焦点が製品多様性、高い質と速い開発リードタイムである場合においてより効果を発揮することが予想される。なお、このような戦略は多国籍企業が本国で開発された製品を海外に展開する製品拡張戦略を持っている場合においてより有効であるだろう。
- 2011-09-30