親になった男性の「親性」に関する文献研究
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概要
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本研究は、親になった男性の「親性」に関する研究の現状を把握するとともに「親性」を構成する因子やその獲得・発達を促す因子を見出すことを目的とし、1985年1月〜2008年12月の日本国内の文献から検索を行った。該当する17件について文献検討を行った結果、男性の「親性」についての研究は社会背景に合わせてなされており、構成因子は、1自己の性質・資格の変化、2我が子への意識・子育てへの意識の変化、3パートナーへの意識・家族への意識の変化、4行動の変化の4因子に、また「親性」の獲得・発達を促す影響因子は、1我が子への関わり、2パートナーとの関係性、3自己の被養育体験、4親になることへの肯定的イメージの4因子に分類された。「行動の変化」に至る動機づけについては明らかにできなかったが、夫婦や親子の関係性をより深めることが男性の「親性」の獲得・発達に重要であることが示された。今後は、様々な個別性に応じた男性の「親性」の獲得や発達を促す援助について明らかになることで、個々の"子育て力"を高めることができると考えられる。