経管栄養を導入した在宅要介護者の家族介護者の思い : インタビューを通して家族による代理意思決定のあり方を考える
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概要
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本研究の目的は,家族介護者の立場からみた経管栄養の意味を考え,家族による代理意思決定のプロセスを検討することである。経管栄養を導入した要介護者を自宅で主に介護している家族5名を対象者とし,面接調査(半構造化面接)を行った。家族による代理意思決定のプロセスを,(1)経管栄養導入前,(2)経管栄養導入時のIC,(3) ICの家族の受け止め方,(4)代理意思決定,(5)経管栄養導入後,の5つに分け分析した。食事や薬が入らないという緊急事態に懸命に対処する家族が,医師からのICを受け,本人の意思もわからないまま,家族による代理意思決定が行われ,経管栄養が導入された。経緯はどうあれ懸案だった栄養補給・薬の服用が可能となり安堵し,経管栄養に満足していた。しかし,家族には経管栄養を導入しても自分には望まないという思いも存在しており,経管栄養の持つ複雑さが明らかになった。
- 岐阜医療科学大学の論文