マイノリティー児童のバイリテラシー測定の試み : 非集住地区に居住する在日ブラジル人児童を対象に
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概要
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第二言語(L2)を授業言語として教科学習をするマイノリティー児童にとって、学年相当の知識を得ることは難しい。先行研究で提案されてきたように、日常生活に必要な言語能力と教科学習に必要な言語能力が異なる(Cummins,1991)ため、マイノリティー児童が授業についていけるまで何年もかかることがある。日本の場合、日本語指導が必要とされているマイノリティー児童・生徒の中でもブラジル人が最も多い(文部科学省,2008)。本研究では、従来あまり研究対象とされていなかった非集住地区に居住するブラジル人児童(N=41)の日本語とポルトガル語のバイリテラシーや彼らの生活背景・家庭環境について調査した。その結果、彼らのL1とL2の語彙力に親子間での使用言語が大きく関連することがわかった。L2で教育を受けているにも関わらず、学年相当のL2読解力を持つ者は8名(20%)のみであり、授業内容の理解への障害になっていると思われる。
- 2010-03-31