幼稚園年長児における発達診断の実際
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概要
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5、6歳という年齢は、学童期への移行の土台となる発達の力が発生する時期であり、幼稚園や保育所では、就学を見据えた保育課題を設定する時期でもある。本稿では、5、6歳児の発達的特徴と発達診断を行う際の留意点を概観し、幼稚園年長児を対象に実施した発達検査・診断結果を基に、子どもの発達の状況、検査の課題に対する答え方の発達的変化、5、6歳児の特徴を明らかにし、5、6歳頃の教育的指導を検討した。5、6歳児に対して発達診断を行う際には、「できる-できない」の軸で判断するのではなく、検査の課題や生活の諸場面に対して、子どもがどのように「調整」して反応するのか、をとらえることが大切である。また、5、6歳児の教育指導には、自信や誇りを育てること、「間」の世界を豊かに育むこと、「教え導く」力を発揮できる場面づくり、子どもの発達の状況に合わせた支援が重要であると考えられる。