装飾古墳における文様の見え方と自然環境条件との相関関係
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概要
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本研究は文化財特に、装飾古墳の保存に関するものである。対象とした装飾古墳は熊本県山鹿市にある弁慶が穴古墳である。今回の研究は古墳内の装飾に関して自然環境、特に温湿度と色変化の関係についての測定実験を行なった。以前から研究者の間で季節によって装飾の見え方が変化するという状況は確認されていた。このことは製作された当時の色に関する再現条件の一つが装飾古墳内の温度湿度に関係するのではないかと思われ、これら体感的視覚的情報をもとに今回はそれらを定量化し数値での確認を行なった。今回の研究によって短期間ではあったが季節による装飾の発色の変化を確認することが出来た。このことは装飾古墳内部が必ずしも一定環境ではなく外部の気象条件に影響されていることである。また、測定制度の問題、特に湿度の測定において現在の測定システムの問題点も認識した。これらを踏まえて現在、新システムでの年間を通しての実験を継続しており今後、順次報告する。
- 2008-03-01