日本人英語学習者によるコーダ子音の知覚
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本語は開音節言語であり,撥音,促音を除き音節内コーダ位置に音が来ることはないとされる。このことから,日本人の場合,母語干渉によりコーダ位置の音に対する知覚能力が劣ることが予測されるが,英語をもとにその調査を試みた。(1)NAPTI(2)NATKI(3)NAKPI(4)PANKI(5)PASTI(6)PAMSIといったナンセンスワードからなるニックネームを刺激語として用い,海外に約1年留学中の日本人と英語母語話者それぞれ11人ずつに提示し聞き取りテストを行ったところ,オンセット部の音の処理には問題はなかったが,コーダ位置のunreleased /t/,/k/と/m/の音に関し日本人被験者の知覚率が低く,英語母語話者との間に統計的有意差が確認された。また,短い英文の聞き取りをもとに,これら知覚しづらい音が実際の英語の聞き取りにも影響を与え得るものであることを確認した。
- 2005-04-30