倫理コンサルテーションとナラティヴの能力
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概要
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本稿の第1の目的は、現在、米国内の医療現場で広く定着している倫理コンサルタントの役割が「倫理的な助言をする専門家」から、関係者の間の対話とコミュニケーションの促進を通して患者ケアの向上を目指し、ケース関係者間の共同決断を支援する「倫理促進者」に移行しつつあるということを紹介することである。本稿の第2の目的は、1)倫理的助言の能力、2)意思疎通プロセスの能力、3)人間関係の能力に加えて、「ナラティヴモデル」を採用する倫理コンサルタントが習得すべき4番目の能力として「ナラティヴの能力(1.ナラティヴに耳を傾ける能力、2.筋を辿り隙間を埋める能力、3.ナラティヴの間の均衡を取る能力)」を提案することによって、「有能な倫理コンサルタントはナラティヴの実践者でもあることが望ましい」ということを示唆することである。
- 2010-09-23