「知識青年」は農村をどう描くか : 李鋭『厚土』と陳凱歌『黄色い大地』の比較から(<特集>都市と農村-文学テクストから読み解く)
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概要
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80年代の中国文学・映画において,「知識青年」作家たちは革命中国の支配的叙述を脱構築するために「農村」の「ルーツ」に注目し始めた。だがレイ・チョウは,この「プリミティヴへの情熱」が,作者の意図とは逆に,共産党の支配的イデオロギーと共犯関係を持つことを批判している。この難問に直面した「知識青年」作家の李鋭は,『厚土』において知識青年の農村共同体からの疎外感を描くことで,意識的にこの共犯関係を回避しようとした。陳凱歌の『黄色い大地』との比較からは,『厚土』は事実上,革命中国の歴史叙述と,対抗的な「農村中国」の叙述が共通に持っている,農村に対する搾取性を指摘していることが明らかになる。
- 2011-11-25
著者
関連論文
- 丸川哲史著, 河出書房新社, 『竹内好-アジアとの出会い』, 2010年1月刊, 220頁, 税込1,365円
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- 京論壇東京大学実行委員会編, 明石書店, 『東京大生×北京大生 京論壇(きょうろんだん)-次世代が語る日中の本音』-元関係者の立場から, 2008年7月刊, 228ページ, 税込1,680円