ラオス産ビャッコイナズマの幼生期
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概要
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筆者らは2009年1月に中部ラオスのシェンクアン県にて2個体のビャッコイナズマEuthalia byakkoの2齢幼虫を採集した.採集時,これらの幼虫は例外なく食樹であるLithocarpus(Pasania)属の葉表面の主脈上に静止していた.筆者らはこれらの幼虫を同属のマテバシイLithocarpus(Pasania)edulisの成葉により飼育し,成虫へ羽化させることに成功した.羽化個体は雄雌各1個体で,そのうち雄の前翅長は53mmであり,翅型,斑紋とともにホロタイプ標本(52mm;Uehara and Yoshida,1995.,Yokochi,2010)とほぼ一致した.また雌の前翅長は63mmで,翅型,斑紋とともにOsadaら,1999に掲載された中部ラオスのLaksaoにおける採集標本(前翅長60mm)とほぼ一致した.終齢幼虫や蛹の大きさや形,体色等は五十嵐,福田(1997)に掲載されたタカサゴイチモンジEuthalia(Mahaldia)formosana(Fruhstorfer)のそれに類似し,終齢幼虫が食樹の葉上中央部の中肋上で静止する点も本種と共通であった.
- 2011-10-11
著者
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二村 正之
Department Of Developmental Biology Shimane University
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二村 正之
Kokoro Medical And Welfare Professional College
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