康孟卿の翻訳作業とその周辺 : 戊戌政変から『清議報』刊行までを中心に
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概要
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1898年,康有為と梁啓超が中国で戊戌変法を推進するさなか,康有為の従兄康孟卿は日本へ渡り,漢学者山本憲の私塾梅清処塾へ入塾した。本稿では,近年整理された康孟卿から山本憲宛の書簡を通じ,戊戌政変前後から『清議報』刊行までの期間における,康孟卿の在日活動と梁啓超らの動向,及び双方の関係について考察する。康孟卿は梅清処塾で日本語と翻訳法を学び,山本らの協力を得て,変法派の翻訳事業を支えた。政変が起こると,変法派の安否を案じ,在日中国人の動きも注視しながら,『清議報』刊行に向けて準備を進める。また日本語翻訳法を模索しつつ,政治小説『佳人之奇遇』の翻訳も手掛け,全面的に梁啓超の「報館」を支えていった。
- 2011-10-25