不確実性下における平等主義、優先主義およびレクシミン原則
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概要
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本稿では、不確実な結果の見込み(これをプロスペクトと呼ぶ)に関する社会的評価関係を形成する理論のうち、平等主義、優先主義およびレクシミン原則について考察する。優先主義について、本稿ではRabinowicz(2001, 2002)やMcCarthy(2006, 2008)に基づいて議論を展開するが、我々は、事後的優先主義は、パターナリズム的な要素を含むと解釈できること、また、McCarthy(2006, 2008)の結論とは反対に、事前的優先主義はむしろ受け入れにくい提言を招きかねないことを指摘する。そして、我々は、プロスペクトに関するレクシミン原則について、優先主義の議論を敷衍するかたちよりも適切な、事後的観点からのレクシミン原則の考え方を示す。
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