社会の進化とオープンシステムディペンダビリティ : 想定範囲が変わり続ける社会を支えるため情報ネットワークが担うべき役割(品質制御,輻輳制御,信頼性技術,IPTV,コンテンツネットワークおよび一般)
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概要
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技術革新は国土、経済、国家、生活など社会の様相を大きく進化させ、常に想定範囲を変え続けています。今回の大震災は、技術革新により想定外の社会様相を創りだしてきた担い手にその責任を問うています。特に、原発への対応では、これまで蓄積されていた事実、変化局面の情報など、判断の要としての情報の重要性と、集める難しさを浮き彫りにしています。有意な情報生成と、それを伝える手段は、情報の価値ある流通を担い、進化し続ける社会の意思決定の羅針盤であり、その役割は当に社会のディペンダブル(持続可能)な進化を確保する要です。本稿では、進化に対して情報が果してきた、継承(安定)とゆらぎ(変化)の捉え方を考察してみます。これを踏まえて、新たな進化の仕組みと考えられるネットワーク上でのコミュニケーション進化、ソフトウェアによるプロセス進化を紹介します。特に、プロセス進化は、人間が進化に対して果す役割を大きく変えようとしていると捉えることができます。プロセス進化研究の一例「オープンシステムディペンダビリティ(OSD)」では、人間がゆらぎの役割になりつつあることを紹介します。最後に、プロセス進化やコミュニケーション進化は情報ネットワークが研究すべき領域であり、この領域では特に社会進化に貢献する視点での取組みが重要です。1取組み例として、筆者が心がけてきた研究ターゲット創出方法などを紹介します。
- 2011-06-09