岩石表面の明度と水分の関係
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概要
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含水比は岩石の風化プロセスを決定し,風化の進行を左右する重要な岩石物性のひとつである。しかし,岩石の含水比を非破壊で,繰り返し迅速に測定することは難しい。そこで,岩石表面の色彩値を土色計で測定してL^*a^*b^*表色系で表し,含水比を推定することを実験的に試みた。実験に用いた岩石は物性の異なる砂岩2種(カンボジア産:プレアビヒア砂岩,S1;灰色砂岩,S2),凝灰岩2種(大谷石,S3;伊豆若草石,S4)である。実験ではこれら試料から直径18mm,高さ20mmの円柱供試体を計20個作成し,含水飽和状態から15,840分後まで定時的に繰り返し含水比と色彩値を測定した。その結果,含水比はL^*(明度の指標)に反比例し,両者は一次関数形で表されることがわかった。そして,この関数形の直線の傾きと係数は,岩石の空隙率(n)に比例している。このことから,岩石の含水比(w)と明度(L^*)の関係を次式で表すことができた。w=0.22n^<1.57>-0.0035n^<1.55>L^*
- 2011-07-25
著者
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原 正剛
日本大・院
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藁谷 哲也
日本大学文理学部
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藁谷 哲也
日本大学文理学部地理学教室
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原 正剛
(現)小田急箱根ホールディングス株式会社:日本大学大学院理工学研究科博士前期課程地理学専攻
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藁谷 哲也
日本大学文理学部地理学科
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