戦前・戦中期における日本アニメーションキャラクターの感情表現の変遷 : 製作手法の観点から見た運動表象や構図及び擬音の量的分析を通して
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概要
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戦前期の日本のアニメーションには,キャラクターの複雑な心理描写が見られない。そのような事態は,アメリカ製アニメーションのキャラクター表現の影響によりもたらされたことは既に指摘されている。また,戦時下で徐々にキャラクターに多面的な感情が与えられるようになり,機械の描写が写実的になったことも明らかになっている。本稿では,従来表現分析の対象外だった大正末期から昭和初期のアニメーションも含め,1924(大正13)年から1944(昭和19)年にかけて製作された日本のアニメーションを分析対象とし,作品の製作手法に関する言説と,キャラクターの動きを主とした表象の量的分析を通して,キャラクターの感情表現がどう変化していったかを明らかにした。