一人暮らし高齢者へのソーシャルサポートと精神的健康の関連性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、一人暮らし高齢者へのソーシャルサポートの検討に資することを目的としており、東京近郊のI市在住の一人暮らし高齢者150名を対象に訪問調査を実施した。主な調査内容は、生活状況や生活機能の自立度、精神的な健康状態である。生活機能の自立度は、老研式活動能力指標を用いて測定した。また、精神的な健康状態は、日本老人用うつスケール(Geriatric Depression Scale : GDS)短縮版および改訂PGCモラールスケールを用いて測定した。その結果を要約すると、次の通りである。1)精神的健康には、身体的健康状態や子どもの有無などではなく、「持ち家」、「老研式活動能力指標の得点」、「生活上の不自由」、「ソーシャルサポート」、「年齢」の5つの要因が強く関連していた。2)したがって、一人暮らし高齢者へのソーシャルサポートのあり方としては、「生活機能の自立」および「手段的・情緒的サポート」等の確保によって、円滑に日常生活が営める環境の整備が重要であることが示唆された。
- 日本保健福祉学会の論文
- 2001-03-31