軽度知的障害者に対する相談支援における支援困難事例の特性分析
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概要
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軽度知的障害者の地域生活支援における相談支援の重要性が高まる一方,「支援困難事例」という言葉が多用されそれらへのアプローチ方法の解明が求められている.そこで,参与観察と面接による調査を実施し得られたデータをロフランドの質的分析の方法を用いて分析し,特性を検証した.結果,具体的アプローチの課題として,(1)自閉症スペクトラム障害の障害特性への理解不足による問題の複雑化,(2)家族間の暴力的行為の把握の困難さ,(3)離職後のフォロー不足による福祉的課題の深刻化,(4)個別的な居住形態確保のための相談支援者の負担が示された.また,支援者の行動・姿勢として,(1)即時的で柔軟な支援提供による信頼関係構築の促進,(2)表出されないニーズを読み取ろうとする姿勢の継続が示された.
- 2011-08-31