伐採フロンティア社会におけるコモンズの構築 : フィリピンのCBFM事業をめぐる住民意識調査から
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概要
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フィリピン政府は,商業伐採跡地の林野においてCBFM(コミュニティを基盤とする森林管理)を導入し,コモンズ的な資源管理制度を構築しようとしている。本稿では,地域住民への意識調査を通して,伐採会社撤退後の「伐採フロンティア社会」における林野管現制度の問題点を分析し,今後のあり方を展望した。調査の結果,CBFMによって伐採業者や新規開墾者といった人々の林野利用が排除され,地域内に紛争が生じていることが明らかになった。それは,CFFMが,「弱者生活権」という,コモンズが待つべき機能を有していないためであると考察された。今後,残存二次林では組合管理の択伐を認め,潅木・草地に関しては,弱者が優先的に土地使用権を享受すべき共有地として管理されるべきであると考えられる。
- 環境社会学会の論文
- 2001-10-31
著者
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- 資源供給と環境保全の調和を求めて, 田嶋謙三著, 『森林の復活-林業の立場から-』, 朝日新聞社, 二〇〇〇年四月発行, 二四五頁, 一、三六五円
- 石弘之編, 『環境学の技法』総合的アプローチによる環境研究の試み, 東京大学出版会, 2002年4月, 284頁, 3360円