英国のグラウンドワークにみるパートナーシップによる地域再生(<特集>地域環境再生の社会学)
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概要
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英国で1980年代の初めに誕生したグラウンドワークは、現在では全国各地43ヵ所に活動拠点を広げ、約750人の有給スタッフを雇用し、年間約3000プロジェクトを手掛けるまでに成長している。グラウンドワークは行政や市民団体とは違ったアプローチで環境問題に対応する。行政のようにトップダウン型の画一的成果を求めず、しかも多くの市民団体が目ざす反対運動や自己完結型の成果も追求しない。NPOとして市民よりの中立的な立場をとりながら、国や自治体、企業などと戦略的連携をとり、コミュニティの主体性を引き出しながら、地域の再生を多面的な角度から追求する。地域代表による意思決定のメカニズム、行政、企業、市民のパートナーシップ、環境にコミットした専門家チーム、国や企業などからの資金を現場で生かすシステムの確立、といった特色をもち、英国での環境再生および持続型発展についての考え方や方法論の進化に大きな影響を及ぼしている。本稿ではこのグラウンドワーク運動に焦点を当て、導入の経緯や仕組みの特色、社会的貢献の中身などについて検討する。また、日本にこのグラウンドワーク方式を導入させる試みも始まっており、これまでの経緯と日本でグラウンドワークを実験することの意味と可能性についても考えてみたい。
- 環境社会学会の論文
- 1999-11-20
著者
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