カリフォルニア州「原子力安全法」の成立過程 : 複数のアリーナ間の相互作用としての政治過程
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
原発政策をめぐっては、巨大な影響を持つだけに様々な形の決定方法が模索されている。本稿ではカリフォルニア州で1976年に成立した「ウォーレン・アルキスト法修正条項」(通称"原子力安全法")を取り上げ、日本の原発政策とは異なる意志決定過程を分析する。この条項は原発の新規建設を事実上不可能にすることでアメリカの原発政策におけるマイルストーンとなったものである。条項の成立の背景には「イニシアティブ」制度を利用した市民の側の法案提出の運動があった。州法政策決定に関わる複数のアリーナ(主張が公になされる場)に焦点を当てて原発がイッシューとして登場する時点から立法的措置がなされるまでを分析し、アリーナ間の相互作用と日本にはない「イニシアティブ」という公共アリーナの果たす機能について考察する。
- 環境社会学会の論文
- 1996-09-20
著者
関連論文
- エネルギー政策の転換と市民参加 : 実質的政策転換の再評価の試み(エネルギー転換の社会学)
- 巻町「住民投票を実行する会」の誕生・発展と成功
- カリフォルニア州「原子力安全法」の成立過程 : 複数のアリーナ間の相互作用としての政治過程