精神科長期入院患者の生活世界
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,精神科病院に長期入院を余儀なくされた患者が体験している生活世界を明らかにすることを目的とした質的記述的研究である.研究参加者は,精神科病院に10年以上入院している患者12名であり,参加観察と半構造的面接によりデータを収集し,質的帰納的に分析した.その結果,長期入院患者は【失ってしまったものが多く自らの存在が危うくなるような体験をしている】が,【入院前の自分らしい体験に支えられた生活】や【入院生活のなかでみつけた小さな幸せ】【病棟内から社会とのつながりを見いだそうとする工夫】【生きていくうえでの夢や希望】を拠り所に生活していることが明らかになった.長期入院患者の看護では,喪失体験に対する共感的理解とともに,その入らしい生活を送ることができるような場や人とのつながりを探求していくことが重要である.
- 2011-01-30
著者
関連論文
- 病的体験による衝動行為が続いている統合失調症患者と看護師のかかわり
- 精神科長期入院患者の生活世界
- 事例検討会における事例提供者の体験 : より効果的な事例検討会のあり方について
- うつ病を抱えながら老いを生きる高齢者の体験 (創立30周年記念号 これからの看護学による社会貢献)