儒教の伝承について(<特集>宗教の教育と伝承)
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概要
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本論文は、日中韓東アジア三国、一般的にいう「儒教文化圏」のそれぞれの地域における儒教の伝承にみられる特色ある展開に注目しながら、これを比較論的に論じたものである。予備的考察として、まず儒教の宗教性について言及した。ついで、杜維明の所論を中国国内の任継愈、方克立の論説に対置させ、儒教の伝承をめぐる今日の状況とその困難な課題について論じ、無神論と有神論との複雑かつ高度な統合を目指す研究者の苦悩について開陳した。さらに、韓国儒教が今日の韓国社会に活きる姿を描写しながら、その生命力は信仰と理論体系とが一体的構造にあることを論じた。上記の所論を踏まえながら、日本の儒教が有するところの仏教的、神道的要素複雑な習合状況に言及し、その歴史的経緯を垣間見ながら、今日における儒教伝承の問題に言及したものである。
- 2011-09-30