最適性理論における例外現象(<特集>最適性理論の各領域における発展・深化)
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概要
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本稿では最適性理論における例外現象の分析を概観する。例外現象は派生理論において周辺的な扱いを受ける傾向があった。全ての制約が普遍的であると仮定する最適性理論においては,非例外現象と例外現象が共通の基盤で分析される必要があり,例外現象も言語分析の中心に位置付けられる。まず最初に,例外現象にも一定のパターンが見られることを論じる。例外現象におけるパターン性は,非例外現象に見られるパターン性と同様,文法構造の解明および理論的分析の比較において示唆に富む。従って,理論的枠組に関係なく,例外現象は言語分析において重要な位置を占めると言える。次に,最適性理論内で用いられてきた例外現象に対する主要な分析手法の基本的な考え方と実際の適用例を紹介し,各分析の長所と短所を論じる。例外現象に関して未解明の問題は多く残されており,最後に今後の課題についても言及する。
- 日本音声学会の論文
- 2009-08-30